2日間にわたって開催されるしスーツの人めっちゃ多いし同時通訳とかフリードリンクまであるしお金かかってるビジネス色の濃いカンファレンスやったかな?
Value Added Services and WebRTC
Dialogicって会社のSVPの方から。
ざっくりWebRTCの今日の状況とか、流行り具合とか、エンプラ業界での関心事について。
- 2015年の終わりまでで850以上のベンダーがWebRTCを使ってる
- 2019年頃には、エンプラ業界での音声通話案件のWebRTC率は15%くらいになる予想(今は1%ないけど)
- VoLTEとか普及すれば後押しになるかも・・?
- 多様なネットワーク環境や端末環境をいかに同等に扱うかが課題
- アメリカでの911(緊急電話)とか、問診とかが活用シーン
- あとは通訳とかコールセンターとかIP電話的なのとかビデオ会議とか
- 将来的には電話番号はいらんくなる
初っ端のセッションに相応しい、ビジネス向けのWebRTCの概況からはじまり、こんなことができるようになるよ!そのうちね!って感じのセッション。
Status Update on WebRTC from Google
GoogleのWebRTCプロダクトのマネージャの方から。
資料はココ: https://docs.google.com/presentation/d/1lvdu44zkShUdXaepEEdAG0SqoQA0mvt0VBEmVtElhUs/edit#slide=id.g1193d3ae62_2_73
- WebRTC企業の買収が多い
- ScreenheroがSlackにjoinしたりとか
- P2Pで通信するということは、VPNにいてもIPを隠せる
- ECDSAって暗号化になる
- https://test.webrtc.org/ ってテストツールもある
- VP9がデフォルトのコーデックに
- iOSの実装も進化しつつある
- Android5↑ではVP8 + H.264 on HW
- iOS8↑ではH.264 on HW
- Opus1.1.2がくるよ
- そのほかiOSのHWレベルでの改善やサポート追加が色々
- Chrome50からはScreenShareでタブも選べるし音も飛ばせる
- RemoteのWebAudioのTrackをリレーできるようになったりする!
- RTC Event Logってのでデバッグできる -> chrome://webrtc-internals/
ビジネス向けから一転、ガチの開発者向けのアップデート情報じゃねーか!
WebRTCはブラウザに限ったAPIではないってのがよくわかりました。
WebRTC 1.0, Finally
Citrixから噂のDr. Alexが、WebRTC 1.0について紹介。
- ORTCとWebRTCの統合が進む2016
- JSEP: Javascript Session Establishment Protocol
- ブラウザがデフォルトでSTUN/TURNサーバーを持つ
- RTP x RTCP
- 複数のPeerConnectionでマルチキャストしていた時代からサイマルキャストの時代へ
- SFUでサイマルキャスト
- 組合せて使えるAPIも色々
- screencapture
- mediarecorder
- mediacapture-fromelement
- madiacapture-output
ローレイヤーな話つらい・・・orz
User experience is everything - the story of appear.in
https://appear.in/ の中の人によるお話。
- 15人ちょっとの会社
- 3人のインターンが2週間で作ったサービス
- Launch early! 作ったらすぐ公開しろという格言
- FacetimeやらHangoutやら既にあるものとどこで差別化するか
- 8人まで無料、リンクで即シェアなど敷居の低さ
- 裏でどんな技術使ってるかなんて普通の人は気付かない
- だからこそユーザーの声を聞け
- 一気に変えるのではなく、少しずつ継続して変えていく
- みなを幸せにはできないから、ターゲット層は選ぶべし
技術じゃなくてUXが全てっていう普通にいい話やった。
WebRTCライトニングトークス
NTTComの大津谷さん / 中蔵さん
- テレイグジスタンスで神経系とロボットをつなぐ
- 最近のロボは触感まで伝わる
- ネットワークを超えて操作する部分はWebRTC / Skywayでok
- 残る問題はジッタや遅延等のNW品質まわり
- ロボの視差は右目/左目/音とTrackを分けて、単一のMediaStreamにする案
- ローカルでは動作するがネットワーク経由だとパケロスしてしまってダメ
- ロボを動かすにはシリアル入力が必要だがブラウザではUDPが流せない
- しかしChromeAppならできる
Dialogicの勝見さん
- PowerMedia XMSというメディアサーバー用のソフトウェア
- VoIPの立ち上がりと同じ機運をWebRTCに感じている
WebRTCのシグナリング・レイヤに足りないもの
Matrix: https://matrix.org/
Matrix is an open standard for interoperable, decentralised, real-time communication over IP. It can be used to power Instant Messaging, VoIP/WebRTC signalling, Internet of Things communication - or anywhere you need a standard HTTP API for publishing and subscribing to data whilst tracking the conversation history.
というわけで、今までのセッションとは違って一歩手前のトコをやってくれるやつ。
- イベントメッセージを送り合う定義のスタンダードを目指すもの
- RTCというよか、分散型コミュニケーションの枠組みそれ自体がMatrix
- WS/HTTP x JSONでシグナリング
- 近くのHomeserverがログ取ったり
- ここまでは公式の概念図見たらわかる
- この枠組に則ることで、既存のアプリもブリッジ経由で接続できるようになる!
- 根本で動いてるのはNode.js
毛色の違うセッションやったけど、こういう考え方やっぱ必要よなーと思いつつ、それこそ仕様でプロトコルのレベルとかもっと低いレイヤーでなんとかしてほしいなーと思ったりもする。
特別対談: WebRTCが切り拓く2020年のIoT
夏野さん、及川さん、白石さんという夢のコラボ対談。
- 及: プラグインなしでビデオチャットなんて理想
- 夏: スマホの登場でアプリに食われてWebの勢いがちょっと落ちてるこの5年、だからこそモバイルも巻き込んでWebRTCは進んでほしい
- 及: とはいっても会社の利害が絡むと、相互運用性とか仕様に落ちるとかまではいかないと思う
- WebRTCの出自はGoogle、Googleは意外にライトサイドな会社(!= ダークサイド)
- 夏: Webはまだマシで、通信系の標準化はカオスに満ちてるらしい
- 及: モバイル = アプリ全盛とはいえ、アプリをインストールしてもらえない / 使ってもらえないの壁が2つある
- 及: なので、Webの優位性は依然としてあるし、追いつこうともしている
- 夏: 動画が流行ってテレビのリアルタイムを壊したはずが、リアルタイムの生放送が流行ったり揺れてる
- 夏: アメリカ人のパソコンの前にいる率は異常 / 日本はスマホ
- 及: Webのいいところはマッシュアップなので、WebRTCにもそういう流れを期待
- 夏: 未来はすべて攻殻機動隊の世界に出てくる
- 夏: リアルタイムな世界だと、オフラインであること自体がメッセージ
- 夏: そういう時勢には逆らえないので受け入れよう(携帯電話が出た時もそうだった)
- 及: 顔がうつるってのがビデオチャットの革新だったがそれでもFace2Faceは重要なまま
- 夏: HP社のHaloというビデオチャットのシステムが2006年にあって、あれはFace2Faceと遜色ない体験ができた
- 夏: 30年以内に、脳デバイス(= No デバイス)になる
- 及: すごい紙みたいなデバイスとか出てきてもいいのに
途中でメモするの面倒になってるとこあるけど、おもしろい話が聞けました。
おわりに
ブラウザ屋としてはWebRTCってまだ全然ブラウザで使えないしなー(特にモバイル)・・みたいに思ってたけど、業界としてはブラウザに限らない技術ということで盛り上がってきてるって感じなんかなーと。
そもそもWeb = ブラウザでは"ない"ので、そういう目線で色々やってかなあかんのかなーという気持ちも。
噂のイカデンワの人ともお話できた記念。
イカデンワの人の通訳したら appear.inの ステッカーもろた #WebRTCConfJP pic.twitter.com/OQH60dfnvz
— りぃ (@leader22) February 16, 2016
明日は2日目をお送りいたします!